知財セミナー初級編~サイエンスしながら特許は出せる~を開催しました

審良プロジェクトでは、専任の知財戦略コーディネーターとして、前田裕司特任教授を雇用し、本プロジェクトの知財力強化に取り組んでいます。

2012年8月8日(水)午後3時から、大阪大学IFReC棟・会議室1において前田特任教授による知財セミナー初級編を開催しました。

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トピック(一部抜粋)

    特許制度の歴史及び意義

    特許になる発明

    ライフサイエンス分野における審査基準

    特許出願明細書の構成及び請求項の書き方

    特許出願プロセス

    オープンイノベーション製薬企業


先端医療からどのような特許が生まれるのか!?

セミナーは、前回の入門編の復習から始まり、研究者が社会貢献を果たすひとつの手段として、研究成果を特許につなげる重要性を強調しました。初級編では、まず私たちの身近にある様々な製品を例に、どのような部分にどのような知的財産権が与えられるかを紹介しました。また、特許制度の歴史的な成立の経緯の話もありました。

次に、特許になり得る発明について、審良プロジェクトの研究分野であるライフサイエンス分野の観点から説明がありました。特に、医療において、手術する方法、治療方法および診断方法そのものは、特許要件の「産業上の有用性」がないために特許にならないが、治療のための装置やシステムは物の発明として認められるという話が印象的でした。

特許は先願主義。研究途中で準備して。

セミナーの中で前田特任教授は、特許は先願主義のため、早く出す必要性を繰り返し説明していました。「研究の結果は、論文に掲載するには細かく検証される必要があるが、特許ならば予備的データが出た段階で出願できる」とのことでした。1年以内にデータを充実させて優先権主張出願ができるからです。他には、特許出願明細書の書き方や出願のプロセスについて、初級編レベルで簡単な説明があり、特許出願の流れがわかりました。最後に、企業がシーズ発掘として行っているオープンイノベーションの取り組みを紹介すると共に、化合物から創薬発掘のためのアッセイ系を紹介して締め括られました。


参加者からは、「知らない事が多かったのでよく理解できた」 「社会貢献のためには知的創出を出口に見据えた研究も大事であると意識できた」 「(工学研究科からの参加者で)ライフサイエンスの分野だけでなく工学研究者にとっても関連する話があり良かった」といった声が上がりました。一方、「大学の社会貢献に知財は必ずしもなくても良いのではないか」との意見や、「研究者が特許を出すメリットとデメリットをもう少しわかりやすく説明してほしい」との要望があり、次回の知財セミナー(中級編・9月開催予定)での議論や説明が望まれます。


審良プロジェクトでは、今後も継続して、大学研究者に必要と考えられる大学知財セミナーを開催する予定です。また、研究者の希望により個別相談や、知財強化・活用のための学内外の連携調整などにも応じます。

今回のセミナー資料はこちらからダウンロードできます→PDF資料(8.9MB)


講演者紹介

前田裕司 特任教授(審良プロジェクト 知財戦略コーディネーター) 
化学工業にて長らく化学、医薬品の研究開発に従事した後、知財担当へと転身。自身が研究に携わった経験から、「研究者の気持ちに寄り添う知財コーディネーター」として、複数の大学の知財部門や大学連携推進室で活躍。大学研究者への知財啓蒙(大学知財発掘・活用も含む)などの経験が豊富。
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メモ

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