サイエンスカフェを行いました。第10回 「ノーベル賞でたどる免疫学の歴史」

サイエンスカフェで話す植松教授


2012年9月25日(火) 午後6時30分より、アートエリアB1にて植松 智 特任教授をゲストに迎えて、第10回サイエンスカフェを行いました。

植松特任教授は、最先端研究開発支援プログラム(審良プロジェクト)の研究分担者のひとりです。小腸粘膜固有層の自然免疫細胞の解析から、腸における免疫の活性化機構を調べています。


写真で見る当日の様子 (クリックすると大きな写真を表示します)

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カフェマスター・レポート ~ 今回のカフェのふりかえり

今回のサイエンスカフェ・オンザエッジは、審良プロジェクトの研究分担者のひとり、植松智さんをゲストに迎えました。会場には定員を超える参加者が集まり、最先端の免疫研究への関心の高さがうかがえました。

植松さんは、過去から現在の最先端までの免疫研究を順序立てて余すところなく話されていました。まず前半は、過去の歴史で成し遂げられてきた免疫研究の功績が紹介されました。ジェンナーの種痘から始まり今日に至るまで、主にノーベル賞受賞研究をとりあげて、研究トピックごとに詳細な解説がありました。免疫は臓器移植時にも作用し、過去の研究から、移植した臓器の免疫細胞が移植された人体を攻撃する現象も明らかになったことが、特に参加者の興味を引いていました。

後半では、2011年のノーベル賞受賞研究である自然免疫の活性化に関わる発見と樹状細胞の役割についての話がありました。植松さんは長らく審良静男研究室にて研究をしてきたことから、審良さんの研究が自然免疫の多くの新しい事実を明らかにして、ノーベル賞級の成果をあげてきたことも話されていました。さらにそこから、現在最先端の免疫研究の内容の紹介があり、非常に盛りだくさんの内容でした。

植松さんの話には、途中でノーベル賞の裏話を挟むなど聴き手を飽きさせない工夫があり、会場からは時折、笑い声も起こっていました。一方でトル(ハエの自然免疫に関わる受容体)を欠いたハエがカビに冒された写真など、リアルなデータを驚きの目で見つめる参加者の姿もあり、比較的高度な内容でも、しっかりと理解しようとする熱意が伝わってきました。


残暑に負けない熱いサイエンスの夜となりました。


レポート : 津村明子 (大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室 研究推進コーディネーター)



ムービー "サイエンスカフェ・オン・ザ・エッジ" 「植松さんってどんな人?」

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参加者の声(参加者アンケートの一部を紹介します~印象に残ったこと・感想など)

全体を通して普段から体の中で起こっていることでもまだまだ分かっていないことが多いのだなと思いました。(20代男性)
ノーベル賞のウラ話が面白かった(20代男性)
移植片対宿主病で移植された肝臓が宿主を攻撃するのが興味深い(20代女性)
TLRの発見をした話が興味深かった。日本人が多くのTLRをみつけたのは印象的だった。(30代男性)
研究者の人間模様 (40代男性)
自然免疫のメカニズムの話 (50代男性)
Th1, Th2以外の新たなTh cellがみつかったこと (不明)
センダイウウイルス→モノクローナル抗体の話までていねいにされたこと。胎児期にすべての抗体を作ること。(女性)
難しいところもありましたが、普段なじみのないことをきくことができて良かったです。(30代女性)

ゲスト(植松さん)からのメッセージ~カフェを振り返って~

今回、話をするにあたって一般の方々に少しでも我々の研究を分かって頂きたいと言う思いがありました。2012年のノーベル生理学・医学賞は山中教授が受賞されましたが、その前にできて良かったです。長時間にわたる話でしたが、どの一枚も削れるスライドはなく、大阪大学を去る前に現在感じているいろいろな思いを吐き出すつもりで皆さんに是非知ってもらいたいことを喋りました。

一生懸命喋った内容に共感して下さったり、面白いと言って下さった方がいたのはありがたい限りで、申し訳ないくらいです。私のわがままなプレゼンに付き合って下さりありがとうございました。

実施要項

日時

2012年9月25日(火) 午後 6:30~8:30 (開場は午後 6:00

場所

アートエリアB1
 大阪市北区中之島1-1-1 京阪電車なにわ橋駅地下1階
 (各線「北浜駅」から徒歩約5分)

ゲスト

植松 智
 
東京大学 医科学研究所 国際粘膜ワクチン開発研究センター 特任教授

ファシリテーター

津村 明子
 
大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室 特任助教

参加費用

無料

来場者数

64名 

参考データ(ダウンロード)

サイエンスカフェって、なに?

サイエンスカフェとは、カフェ のようにくつろげる場所で科学について語り合う場を指しますが、明確な決まりはなく、全国各地で盛んに行われています。
サイエンスカフェの楽しみ方はさまざまです。研究者の話にじっと耳を傾けるもよし、直接質問をしたり、参加者同士で意見交換を行うことも可能です。カフェの雰囲気を作るのはスタッフを含め、その場に居合わせる全員だと言われています。どうぞ、思い思いのスタイルでお楽しみください。

サイエンスカフェ・オンザエッジとは?

審良プロジェクトの中心研究者である、 審良静男 教授(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター拠点長)の研究プロジェクトや研究拠点の研究者を話題提供者(ゲスト)に招き、免疫学や関連研究分野における最先端の研究 を一般市民の方々にもわかりやすく紹介するサイエンスカフェのシリーズです。


※ 会場での飲食や、他の方の迷惑になるような行為は、主催者側の判断で一部制限させていただく場合があります。

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メモ

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