16. 拒絶理由通知およびその対応

 審査請求をすると特許庁の審査官により審査が開始されますが、特許法第49条に規定されている拒絶理由に該当するものがあるか否かについて審査され、拒絶理由が無いものは特許査定されます。審査の過程の統計は公表されていないので分かりませんが、新規性が無い、進歩性が無いという拒絶理由が一番多いと思われます。また、基本的には明細書に記載されているもので、当業者(同じ専門分野の者)が発明を再現できるようになっていなければなりません(明細書記載要件、実施可能要件)。
 以前は審査官からの一つの拒絶理由通知に対して拒絶理由を解消するような意見書、補正書を提出しても、また審査官から回数の制限が無く別の拒絶理由通知がきて、再び対応しなくてはいけなければなりませんでした。そのために審査に3年以上はかかることは少なくはありませんでしたが、それでは特許有効期間を審査期間のために無駄にすることにもなりますので、平成5年に拒絶理由は最初に全て出願人に通知することになりました。最初の拒絶理由通知に対して出願人が対応し、それでも拒絶理由が解消されない場合には最後の拒絶理由が通知されます。それに出願人が対応して、それでも解消されない場合には、拒絶査定を受けます。通常、最後の拒絶理由に対応する時は、請求の範囲を縮小して対応します。
 以前は、特許法第29条第1項違反とか、何の説明も無く新規性が無いというような拒絶理由通知だったのですが、最近はもう少し丁寧に拒絶理由が書かれているので、拒絶理由をよく読んで、それを解消するように努めるしかないと思います。また拒絶理由の書き方から、どうしても審査官が発明を理解していないような印象を受ければ、審査官と直接面談して特許性の主張の説明をすることができるので、特許事務所を通して審査官と面談することをお勧めします。最近の科学技術は専門化・高度化が進んでいるので、審査官に理解して頂くためにも面談する方が良いこともあるように思います。

〔文責:知財戦略コーディネーター 前田裕司〕

 

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