14. 出願公開制度

 以前は、特許が登録されるまでは出願内容は公開されませんでした。しかし技術競争の激化と科学技術の進歩は、特許出願件数の増加と特許出願内容の複雑化、高度化をもたらし、特許出願と審査処理能力のバランスが崩れ、審査所要期間が長期化し、慢性化するようになりました。出願人も権利発生までの長い期間、他人の模倣を傍観するしかなく、また、第三者から見れば重複研究、重複投資を頻発させ遅れて発生する他人の権利によって研究開発、事業等を中止しなければならなくなる場合も生じ、企業活動上ばかりではなく国民経済上にも不安と損失を与えたため、その一つの対策として出願公開制度が、昭和45年に採用されました(吉藤他、特許法概説)。
 出願日から1年6ヶ月を経過すると取下、放棄、却下、拒絶査定確定がなされていない出願は公開されます。出願公開されると拡大先願の地位が確定し、他人が同じ内容の特許がとれなくなります。また、その内容を模倣した製品などについては補償金請求権として一定の条件下でライセンス料相当額の金額の支払い請求をすることができます。
 なお、特許出願人は請求により1年6ヶ月前より早い時期に一定の条件下で公開を請求することができます。通常、企業では、自社でどのような研究をしているかを公開したくないので積極的に出願公開を請求しません。

〔文責:知財戦略コーディネーター 前田裕司〕

 

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