4. 発明(種類、単一性、保護対象にならない発明)

 「発明」を広辞苑で調べると二番目の意味に「新たに物事を考えだすこと」というのが、通常いわれている「発明」と考えられます。吉藤(1)によると法学全般に優れていたベルリン大学のコーラー教授(1849-1919)の「発明とは、技術的に表示された人間の精神的創作であり、自然を制御し、自然力を利用し一定の効果を生ぜしめるものをいう」という学説が世界各国に共通した考え方であるとしています。日本の特許法第2条は、それを実質的に踏襲したもので、「発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義しています。
 したがって、自然法則を利用していないエネルギー保存の法則などの自然法則自体や、自然法則を利用していない経済法則、人為的な取決め(例えば、ゲームのルールそれ自体)、数学上の公式、人間の精神活動に当たる場合、あるいはこれらのみを利用している場合(例えば、ビジネスを行う方法それ自体)は、発明に該当しません。また技術的思想を案出していない天然物や自然現象の単なる発見も発明に該当しません。なお米国特許法では、discoveryもinventionに含まれているので日本の発明と米国の発明は必ずしも同じではありません。
 また発明には「物の発明」と「方法の発明」と「物を生産する方法の発明」があり、発明の実施の態様がそれぞれ異なります。
ip_04_fig1.png  左に示すように実施の態様が多い方が、侵害行為があったときに立証が容易であることからモノの発明が一番強く、方法の発明が一番弱いので、できる限りモノの発明にする方が良いと考えられます。
 具体的には、発明のネタは、研究テーマそのものだけではなく実験、分析手段等でも不便なモノとか、品質や機能面でもっとこうなれば良いのに...ということ自体が発明のネタになります。不平、不満は発明の元と考えて良いと思います。それを新しい方法で解決できれば発明になります。

(1)吉藤幸朔(著)、特許法概説(第13版)、51p、1998年(有斐閣)

〔文責:知財戦略コーディネーター 前田裕司〕


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