② 知財強化方法 (3の詳細②)

 基礎的研究から新規分子(遺伝子、たんぱく質等々が発見された場合、または既知分子だが新規機能が解明された場合、その分子の活性を促進するか、阻害する薬のスクリーニング方法(またはシステム)で出願できるとしても、それが臨床上のどういう疾患の治療薬に繋がるかについては予想しがたいことが多いと思います。
 しかしながら新規作用機序のスクリーニング方法(システム)があれば、既知の化合物を調べ、構造と活性の差異があればケモインフォマティクスで、活性の強い化合物の構造を推定することができます。化合物ライブラリーは理化学研究所や産業技術総合研究所が持っており、少なくとも理化学研究所では、大学研究者は申請手続きは必要であるが、いくらかの化合物を無料で入手できます。
ip_03_sub2_fig1.png 10種類以上の構造の異なる化合物をスクリーニングしてケモインフォマティクスにより活性が高いと推定できる化合物については新規化合物になる可能性が高いと考えられます。しかし、そのために新たに合成ルートを開発しなければいけません(合成協力者は合成法と新規物質について特許出願できます)。
 合成が成功し、新規作用機序を有する新規化合物が得られ、重要な疾患に対して新規化合物の有効性が明らかになれば、企業には相当高く買ってもらえる可能性があります。
 このような研究については本来の何故を追及する研究目的とは離れてしまうことに加え、時間も必要で、研究者がその製品開発に関心を持ち、労力を割くことができるか否かに依存することと、若干の研究開発経費が必要になってきます。また時間も化合物ライブラリーの入手及びスクリーニングに1年はかかると思います。またその後のケモインフォマティクスも1年はかかると考えられます。
 上記のように、知財強化の方法がないわけではないが、結果の保証もないため、大学の研究者だけで進めていくことは難しい問題であり、早期に企業と連携することで可能になると考えられます。

〔文責:知財戦略コーディネーター 前田裕司〕


この記事に関して、質問やコメント等がございましたら、前田知財戦略コーディネーター(akira-ipsc@ml.office.osaka-u.ac.jp)までお寄せください。

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