サイエンスカフェを行いました。
第二回 細胞ライブカメラが追う、まだ誰も見ていない世界

サイエンスカフェで話す菊地教授


2010年11月16日(火)午後 6:30よりアートエリア B1(ビーワン)で、石井 優特任准教授と難波 美帆准教授(早稲田大学)を招いてサイエンスカフェを行いました。

石井特任准教授は、最先端研究開発支援プログラム(審良プロジェクト)の研究分担者(サブテーマリーダー)として、「生体イメージングとシステム生物学による単球・マクロファージ系細胞のダイナミズム解析」に取り組んでいます。


写真で見る当日の様子 (クリックすると大きな写真を表示します)

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カフェマスター・レポート ~ 今回のカフェのふりかえり

石井さんが参加する<最先端研究開発支援プログラム審良プロジェクト> が掲げる研究目的は、「免疫機構の統合的な理解」です。ここ数年間で免疫研究は大きく進み、細部に関する膨大な知見が得られました。しかし一方、体全体での働きは複雑すぎて本格的な研究はこれからです。審良プロジェクトが目指す統合的な理解とは、免疫に関してすでに分かっていることを <体全体> を貫く秩序で体系化し、免疫機構を根底から理解するという意味です。

統合的な理解を目指す研究では、生きた生物の免疫反応をありのまま観察する <生体イメージング> の技術が鍵を握っています。 <生体イメージング> は、生体内の「動き」に関する情報をもたらすからです。しかし、光が届かない生体の内部を、外部から傷を負わせることなく細胞レベルで観察するのは、容易な話ではありません。病院にある MRI※1 なども生体イメージング装置ですが、石井さんは高性能な光学顕微鏡を使う観察方法を研究しています。

内科医でもある石井さんは「リウマチ」への関心をきっかけに、生体イメージング研究の道に進みました。すでに、自ら開発した <生体イメージング>の手法を用いて、リウマチ治療に関するめざましい研究成果を上げています。※2

石井さんが使う顕微鏡は、二光子顕微鏡などレーザー光を用いる顕微鏡の中でも最先端のモデルです。当日は、顕微鏡のトップメーカーの一つであるニコンの協力によって小型の蛍光顕微鏡が会場に設置され、観察体験コーナーが設けられました。小型とは言っても桁違いの能力を持つ顕微鏡に触れた参加者は、一様に肉眼では決して見えない世界の立体感や明瞭さに驚いていました。



石井さんらが撮影した生体イメージングの映像は、見る者の心を引きつける美しさを持っています。参加者は、十数本の稀少な <生体イメージング> 映像を通して、石井さんの追っているまだ誰も見ていない世界の美を味わっているようでした。カフェというよりは美術ギャラリーのような雰囲気が漂う中、二光子顕微鏡の動作原理や特長、石井さんが研究者の道に進んだエピソードやこれからの研究目標などにも質問が及び、参加者それぞれが真剣なまなざしで石井さんの話に耳を傾けていました。

 

※1 核磁気共鳴画像法(かくじききょうめいがぞうほう)磁気を利用して生体内の情報を画像にする方法の一つ。

※2 骨を分解する破骨細胞の動きを観察し、破骨細胞の運動や分化を制御している機構を明らかにした。この結果は、新しいリウマチ治療法に結びつくと期待されている。詳しくは こちら


レポート : 岩崎琢哉 (大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室)



3分間ムービー "カフェ・オン・ザ・エッジ" 「石井さんってどんなひと?」

参加者の声(アンケートの回答を、そのまま掲載しています)

参加のきっかけは?

細胞のカタチに興味があり、見てみたいと思っていたから。
細胞カメラ、映像に興味を持ったから。
顕微鏡で生きた細胞を見られると聞いたから。
サイエンスに興味があったから。
生物学に興味があるから。
自分の知らない世界を見てみたかったから。
細胞の美しい映像を見たいと思ったから。
面白そうだから。生きたまま顕微鏡で体内が見られるとは思いもしないことだったから。
免疫学に興味があったから。
破骨細胞そのものを見れる機会だから。

面白かったことや、興味を持った点は?

5年後、10年後には身近になっているかもしれない映像を先取りして見ることが出来た。
生きている細胞の動きがとてもクリアに見えるので感動しました。
研究しようとしたきっかけの話。破骨細胞の顕微鏡の技術の進化。
細胞に色が付いてウヨウヨしている画像が油絵みたいで面白かった。
イメージングのこれからの可能性に期待します。
スクリーンで見る図や動画がわかりやすくて、とても興味深かったです。
顕微鏡の仕組みが面白かった。
実際に顕微鏡をのぞいたこと。
細胞は人間社会と似ていると自分で感じて美術で表現しているので、同じように感じていらっしゃるのが嬉しかった。先生の研究に興味がわきました。
そんなことまでできるのかと動画を見ながら感動しました。

難しいと感じた点は?

顕微鏡の仕組みは分からないけど面白かった。
二光子励起、顕微鏡の原理の話。
わたしたちはどこから来てどこへ行くのか。生命の起源の解明。
蛍光、一光子励起、二光子励起のお話は少々難しいと感じました。
人体・医学への応用の話。

その他、ひとことコメントをどうぞ。

説明が丁寧で疑問に思うようなところをファシリテーターの方がきいて下さってよかった。
メモ用紙やボードまであって、メモがとりやすくてよかった。次回が楽しみ。
丁寧に話してもらってとても良く分かった。
血をつくるもの、骨をつくるものが一体どんな段階を踏んでいるのか、大変興味深く、また催して下さったら参加したいです
ものすごく面白かった!

実施要項

日時 2010年11月16日(火)午後 6:30~8:30(開場は午後 6:00)
場所 アートエリア B1(ビーワン)
京阪電車中之島線「なにわ橋駅」地下1階コンコース(地下鉄「淀屋橋駅」「北浜駅」から徒歩約5分)
ゲスト Masaru Ishii

石井 優・大阪大学免疫学フロンティア研究センター 主任研究者(准教授)

ファシリ
テーター
Miho Namba

難波 美帆・早稲田大学 大学院政治学研究科 准教授/ サイエンス・メディア・センター

進行役 竹内 裕子・高木 昭彦・岩崎 琢哉(大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室)
定員 約50名
参加費用 無料 (事前の参加申込は、不要です)

参考データ(ダウンロード)

サイエンスカフェって、なに?

サイエンスカフェとは、カフェ のようにくつろげる場所で科学について語り合う場を指しますが、明確な決まりはなく、全国各地で盛んに行われています。

カフェ・オンザエッジとは?

カフェ・オンザエッジ は、大阪大学の免疫学者・審良 静男教授の研究プロジェクトにかかわる研究者を中心とするサイエンスカフェ企画です。これからも審良プロジェクトの研究者を招いて最先端の研究に関する話題を提供する予定です。

サイエンスカフェの楽しみ方はさまざまです。研究者の話にじっと耳を傾けるもよし、直接質問をしたり、参加者同士で意見交換を行うことも可能です。カフェの雰囲気を作るのはスタッフを含め、その場に居合わせる全員だと言われています。どうぞ、思い思いのスタイルでお楽しみください。

※ 会場での飲食や、他の方の迷惑になるような行為は、主催者側の判断で一部制限させていただく場合があります。




最終更新日:2010年11月19日

メモ

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