サイエンスカフェを行いました。
第1回 生体ライブ映像の主役「蛍光プローブ分子」の開発者が追っていること

サイエンスカフェで話す菊地教授


2010年11月9日(火)午後 6:30よりアートエリア B1(ビーワン)で、菊地 和也教授と難波 美帆准教授(早稲田大学)を招いてサイエンスカフェを行いました。

菊地教授は、最先端研究開発支援プログラム(審良プロジェクト)の研究分担者(サブテーマリーダー)として、「免疫現象を可視化する化学分子イメージングプローブの開発」に取り組んでいます。


写真で見る当日の様子 (クリックすると大きな写真を表示します)

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カフェマスター・レポート ~ 今回のカフェのふりかえり

菊地さんが参加する <最先端研究開発支援プログラム審良プロジェクト> が掲げる研究目的は、「免疫機構の統合的な理解」です。ここ数年間で免疫研究は大きく進み、細部に関する膨大な知見が得られました。しかし一方、体全体での働きは複雑すぎて本格的な研究はこれからです。審良プロジェクトが目指す統合的な理解とは、免疫に関してすでに分かっていることを <体全体> を貫く秩序で体系化し、免疫機構を根底から理解するという意味です。

統合的な理解を目指す研究では、生きた生物の免疫反応をありのまま観察する <生体イメージング> の技術が鍵を握っています。 <生体イメージング> は、免疫の「動き」に関する情報をもたらすからです。 しかし、光が届かない生体の内部を、外部から傷を負わせることなく細胞レベルで観察するのは、容易な話ではありません。

光学顕微鏡で生体内を観察する際には、蛍光を活用します。大雑把な表現になりますが、外からの光を当てるだけでは不足なので、受け取った光のエネルギーで光る <蛍光> の仕組みが欠かせないのです。菊地さんが取り組むのはこの時に用いる <蛍光プローブ分子> の研究と開発です。

今回のカフェには、菊地さんが開発した <亜鉛と出会うと蛍光の性質が現れる蛍光プローブ分子> を持参していただきました。変化実験の映像(下のムービー)を見ると、まるで照明のスイッチをオンにしたように、蛍光プローブが光を発し始める様子が見て取れます。「このような蛍光プローブが、どのように生体イメージングで重要な役割を担うのか」 「電球の光と、実験で見た蛍光はどう違うのか」 「亜鉛を検出すると光る "化学のスイッチ" がどのようなメカニズムで実現されているのか」 といった質問に対して、菊地さんはひとつひとつ丁寧に答えていました。

菊地さんはこの分野でノーベル賞を受賞したロジャー・チェン博士の下で学ぶために、UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)に留学した経験を持っています。当時のエピソードにも質問が及ぶなかで、免疫研究や蛍光プローブそのものから、研究者である菊地さん本人に関することまで、参加者それぞれが思い思いに菊地さんとの対話を楽しんでいました。


レポート : 岩崎琢哉 (大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室)



3分間ムービー "カフェ・オン・ザ・エッジ" 「菊地さんってどんなひと?」

参加者の声(アンケートの回答を、そのまま掲載しています)

参加のきっかけは?

テーマが免疫に関するものだったから。
ライブイメージに興味があったから。
先端技術の解説に興味があるから。
研究者の娘と話をして、(娘の話を)理解できるようになりたいと常に思っていたので。
チラシの映像イメージがとても気になったから。
バイオに興味があったから。
生体内での化学反応に興味があったから。
菊地先生の研究(FRET)に興味があり、わかりやすく講義を受けたかった。
イメージング、蛍光に関して基本的なことを知りたかった。
細胞の動きを顕微鏡レベルで観察できるところに興味を持ったから。

面白かったことや、興味を持った点は?

分子構造をデザインするという考え方がおもしろかった。
実際に試料を持って来てくれて変化を見せてくれた。難波さんの分かりやすい説明
生体内の現象を可視化する事がいろいろな世の中の試みに通じていると思った
「光るようにする」ことで脳や体のことを調べられるということ。
蛍光プローブを研究しようとしたきっかけの話。NOの話。
質問に誠実・丁寧に先生が回答していたこと。
内容は非常に面白かった。発光・蛍光物質の特徴と蛍光プローブについて。
すべてが面白かったです!
難しそうな化学が少し身近に感じました。
菊地教授と友人の医者との会話が研究のきっかけになったという話のくだり。会場の製薬会社の方と菊地教授、難波さんとのやりとり。難波さんの突っ込み。

難しいと感じた点は?

化学式、構造式、どうやって生体内で光を見るの?
GFPの光るしくみ。
理系の出ではないので、化学式やその単語が出ると少し難しかった。
化学の知識。
物質の構造 しばらく見ていないので難しく感じた。

その他、ひとことコメントをどうぞ。

デザインの仕事をしているので、色は身近なものですが、分子レベルで考えたり、化学の現場でどうやって応用されるのかを知れて面白かった。これからもどんどんこの企画をやってください
ファシリテーターさんのツッコミなどで、かなり分かりやすかった。
とても興味深かった。
わかりやすい。
素人にも良く理解できました。
楽しいお話が聞けました。ありがとうございました。

実施要項

日時 2010年11月9日(火)午後 6:30~8:30(開場は午後 6:00)
場所 アートエリア B1(ビーワン)
京阪電車中之島線「なにわ橋駅」地下1階コンコース(地下鉄「淀屋橋駅」「北浜駅」から徒歩約5分)
ゲスト Kazuya Kikuchi

菊地 和也・大阪大学大学院工学研究科 教授

ファシリ
テーター
Miho Namba

難波 美帆・早稲田大学 大学院政治学研究科 准教授/ サイエンス・メディア・センター

進行役 竹内 裕子・高木 昭彦・岩崎 琢哉(大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室)
定員 約50名
参加費用 無料 (事前の参加申込は、不要です)

参考データ(ダウンロード)

サイエンスカフェって、なに?

サイエンスカフェとは、カフェ のようにくつろげる場所で科学について語り合う場を指しますが、明確な決まりはなく、全国各地で盛んに行われています。

カフェ・オンザエッジとは?

カフェ・オンザエッジ は、大阪大学の免疫学者・審良 静男教授の研究プロジェクトにかかわる研究者を中心とするサイエンスカフェ企画です。これからも審良プロジェクトの研究者を招いて最先端の研究に関する話題を提供する予定です。

サイエンスカフェの楽しみ方はさまざまです。研究者の話にじっと耳を傾けるもよし、直接質問をしたり、参加者同士で意見交換を行うことも可能です。カフェの雰囲気を作るのはスタッフを含め、その場に居合わせる全員だと言われています。どうぞ、思い思いのスタイルでお楽しみください。

※ 会場での飲食や、他の方の迷惑になるような行為は、主催者側の判断で一部制限させていただく場合があります。




最終更新日:2010年11月12日

メモ

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